「お金が不安で辞められない」
早期退職を考える50代の悩みは、最終的にここに行き着く。僕もそうだった。
でも「不安」のままにしているから、苦しい。不安は、数字にすると小さくなる。漠然と「足りるだろうか」と悩むのと、「あと○○万円足りない」とわかっているのとでは、心の状態がまったく違う。
確認すべきお金は、3つだけ。
①入ってくるお金(退職時)
まず、辞めたときに手元に入るお金。
- 退職金(退職手当)
- 貯蓄・預金
- 投資資産(株・投資信託など)
退職金は、就業規則や退職金規程で計算方法が決まっている。会社員なら人事に確認できるし、公務員なら退職手当条例で計算できる。自己都合退職は定年退職より減額されるのが普通なので、「定年でもらえるはずの額」と「今辞めた場合の額」の両方を把握しておくこと。
→ 詳しくは [退職金と年金を自分で調べる方法](内部リンク)
→ 手取り額まで一度に出したい方は [退職金 手取り計算機](https://taishoku-lab.jp/tools/teate/)。公務員・民間どちらにも対応しています
②出ていくお金(退職後〜年金まで)
ここが一番の山場。退職から年金受給開始(原則65歳)までの期間、収入が細る中で出ていくお金。
生活費
まず、今の生活費を正確に知ること。家計簿アプリで3ヶ月記録すれば見えてくる。総務省の家計調査では、65歳以上の夫婦無職世帯の消費支出は月25万円前後。ただこれは平均値。自分の数字で計算することが大事。
見落としがちな3つの支出
ひとつ。住民税。住民税は前年の所得に課税される。つまり退職した翌年、収入がなくなった後に、現役時代の所得に対する住民税の請求が来る。数十万円単位になることもあるので、必ず取り置いておく。
ふたつ。健康保険。会社員・公務員でなくなると、健康保険を自分で払う。任意継続か国民健康保険か、選択によって2年間で数十万円の差が出ることもある。
→ どちらが安いかは [退職後の健康保険 比較計算機](https://taishoku-lab.jp/tools/hoken/)で、あなたの数字で比較できます
みっつ。国民年金。60歳までは国民年金の保険料を自分で払う。月17,000円前後×夫婦2人分なら、年40万円規模。
ローン残債
住宅ローンやカーローンが残っているなら、残債と毎月の返済額を確認。退職金で一括返済するか、返し続けるかは、金利と手元資金のバランスで判断する。
③入ってくるお金(65歳から)
最後は年金。
「ねんきん定期便」か「ねんきんネット」で、自分の見込額が確認できる。50代なら、かなり現実に近い数字が出る。
→ 定期便の数字の意味と、繰上げ・繰下げでの増減は [ねんきん定期便リーダー](https://taishoku-lab.jp/tools/nenkin/)で読み解けます
注意点がひとつ。早期退職すると、厚生年金の加入期間が短くなる分、定年まで働いた場合より受給額は減る。減るといっても月数万円の世界なので、まずは数字を見てから判断すればいい。
3つを並べると、答えが見える
計算式はシンプル。
(①手元資金)−(②退職から65歳までの支出合計)+(③65歳からの年金)で、老後の生活が回るか。
足りないなら、選択肢は3つ。退職時期を遅らせる。支出を下げる。退職後の収入をつくる(セミリタイア)。
足りないことがわかるのも、大きな前進。「何が、いくら足りないか」がわかれば、対策が立てられる。グルグル悩んでいた頃には戻らない。
→ 3つの数字が揃ったら、[退職判断メモ ジェネレーター](https://taishoku-lab.jp/tools/report/)で1枚に整理できます。資産が何歳まで持つかは [退職後収支シミュレーター](https://taishoku-lab.jp/simulator/)でどうぞ
まず、今夜できること
ねんきんネットに登録して、自分の年金見込額を見ること。10分でできる。
漠然とした不安を、最初の数字に変える一歩になる。
※3つのお金を自分で計算するのが大変な方は、FPの無料相談で一緒に試算してもらう方法もあります。数字のプロに見てもらうと、見落としも防げます。